Q&A

自費診療と保険診療の違いは?

保険診療では、病名に対して治療してよい方法や歯科材料が決まっています。そのルールに従って医療行為を行うことで、新人歯科医でも熟練歯科医でも同じ保険点数を請求できます。ベテラン歯科医が、保険のルールにない自分だけの特殊技能を活用する場合、自費診療で行う必要があります。財政赤字でやむを得ないのでしょうが、1か月に請求可能な保険点数が水面下で決まっているため、口腔内を一単位としてまとめた治療は認められません。保険診療よりも高品質な歯科材料を使用し、歯の長寿命化に繋がる高精度な治療を受けられるならば、必ずしも自費診療が贅沢な治療とは言えないかもしれません。

サイトウ歯科で歯科治療を受けるには?

当院の患者さんの紹介でない限り、まずは医療相談(約50分で費用は3万円)を受けていただきます。わが国には保険診療という誰でも平等に受けられるシステムがありますから、当院のような自費診療だけを行う診療室は一般的ではありません。したがって、医療相談を受けられても、当院でお受けすることが最善と思われる患者さんだけしかお受けしません、その数は相談者の10%未満です。しかし、かかりつけ歯科医から、自分では大丈夫と思っていた歯を突然「抜きましょう」と言われ、困り果てたすえに「100歳まで自分の歯を残す4つの方法」(講談社刊)に出会った患者さんには、当院の「医療相談」をお勧めします。

TCHとは?

ヒトは、咀嚼や嚥下・会話している時以外には、上下の歯はどこも触れていない下顎安静位の状態を維持しています。そして、咀嚼や嚥下・会話している時でさえ上下の歯が触れる瞬間の合計時間は1日に20分以内と考えられています。しかし、現代を生きる私たちの多くは、社会的要因などで、長時間に亘り、上下の歯を触れさせる癖が習慣化しています。この癖をTCH(Tooth Contacting Habit)と言います。命名に関わった木野孔司元准教授がリーダーを勤めていた東京医科歯科大学病院顎関節治療部では、TCHの是正により、顎関節症症状の改善が認められています。木野先生と当院との共同研究では、TCHの是正で、顎関節症ばかりではなく虫歯予防・歯周病の治療と予防に繋がる結果がえられ、当院では「100歳まで自分の歯を残す」ことの必須事項になっています。

100歳まで自分の歯を残せる可能性はありますか?

1987年の厚生省のデータですが、50歳で平均23本の歯が残っているのに、60歳では16本、70歳では8本、80歳以上では4本と年齢とともに歯の本数は減るのが当たり前でした。私たちも、歯を支えている歯槽骨は年齢とともに減ると言われていたため、歯を失ってゆくのは止むを得ないと考えていました。しかし、38年にわたる「ペリオクリーニング」の結果から、90歳までは必ずしも歯槽骨が減らないという結果が得られました。この結果から、100歳まで自分の歯を残せる可能性があります。是非とも、100歳まで自分の歯を残してください。