無意識の生活習慣TCHを減らす
私たちは、本来咀嚼(食べる)・嚥下(唾を呑みこむ)・会話(話す)時以外は、上下の歯をつけないのが正常な状態です。これを下顎安静位と言います。しかも、咀嚼・嚥下・会話によって触れた瞬間の1日の合計時間も、たったの20分以内と考えられていることから、上下の歯をつけることは稀なことです。しかし、現代を生きる私たちは、社会的要因(ストレスなど)により、無意識に長時間上下の歯をつける、場合によっては強く噛みしめている習慣となっています。顎関節症治療の権威、木野孔司元東京医科歯科大学准教授と私たちの研究から、この癖(TCH)が顎関節症の原因となるばかりでなく、虫歯・歯周病の原因にも関与している事が解明されました。TCHが歯や体に悪影響を及ぼしているTCHリスクの高い人は是正が必要ですが、100歳まで自分の歯を残そうとする場合にも、TCH是正が必要となります。
TCH(Tooth Contacting Habit)とは、無意識のうちに上下に歯をつける癖で、専門的には上下歯列接触癖と呼ばれます。