しかし、エイズが世界的な問題(1989年ころ)を契機に、一部の歯科医は、エイズは感染者の体液で感染することから、常に血液・唾液に触れる歯科医療に院内感染対策を導入する必要性を感じるようになりました。それまでは、歯科医は抜歯時に顔や白衣が血だらけになっても感染症に罹患するとは考えていませんでした。そうした気付きを起こした私も、感染症の勉強を始めると、エイズ以外にウイルス性肝炎・白血病などという不治の病も体液で感染することに気付き、神の啓示を受けたがごとく実効性のある院内感染対策導入を決意しました。多くの専門書を読み、実験・研究をして、ここまですれば安全を確保できると信じられる独自の院内感染対策「サイトウメソッド」を完成させました。いまならば当たり前に思える「診療室を汚染区域と非汚染区域(日常空間)とに分け、汚染区域にある全ての汚染物を無害化して非汚染区域に出す」概念の構築、今でも世界一といえる「高圧蒸気滅菌器」を製品化したことなどが誇れることです。導入から30年、感染事故は疑わしい事例も含めて1件も発生しませんでした。こうした安全対策に価値を見いだせる患者さんは、是非とも当院に来院してください。